■心身ともに限界「仕事を休めることがうれしかった」
そんなことが9カ月ほど続き、その間に10カ所以上の病院を受診したんです。いよいよ、仕事場でも立っていられない状態になり、帰宅後「もう限界だ」と思って深夜に救急車を呼びました。
レントゲンと痰の検査で、アッという間に「結核」とわかりました。結核がどんなものかは知りませんでしたが、「入院が必要」と医師から聞いて救われた気がしたんです。とにかく、仕事を休めることがうれしかった。「みんなに迷惑をかけてしまう」という気持ちが浮かんでこないほど心身ともにつらかったのです。でも、それが長い闘いの始まりでした。
結核は、結核菌を吸い込むことで起こる感染症で、肺をはじめとする器官の細胞を壊死させるため、放置すれば死に至る病気です。治療は、抗結核薬を投与しながら菌が出なくなるまで入院。さらに6カ月間は薬を飲み続けなければなりません。
独白 愉快な“病人”たち