とはいえ、紫外線を浴びることは皮膚がんや目の病気につながるのではないか?
「紫外線を浴びるといっても、必ずしも直射日光に皮膚や目をさらす必要はありません。天気のいい日なら、木陰にいるだけでも十分です。それも1日数十分程度でいいのです」(東丸名誉教授)
そもそも日焼けが皮膚がんを発生させる率は、一般的に考えられているよりもずっと低いことがわかっている。スウェーデン女性を20年間追跡調査した研究では、太陽光を避ける群は積極的に浴びる群よりも寿命が0・6~2・1歳短くなると見積もられている。白内障や加齢黄斑変性症、網膜色素変性症など目の病気のリスクの高い人はサングラスで目を守る必要があるが、健康な人はさほど紫外線に神経をとがらせる必要はなさそうだ。