そのため、不測の事態を想定して日頃から訓練を行っています。日常的に、もし人工心肺が止まってしまった場合、予備の機械をつなぐまでの間に各スタッフがそれぞれどんな手順で何をすればいいのかを確認しています。おのおのがどのように動けばいいか、実際に機械を使いながら練習したこともあります。こうした訓練を日頃からしっかり行っている施設はそう多くはないでしょう。
私が勤務している順天堂医院は、国際的な病院機能評価機構「JCI」の認証を取得しています。この認証を得るための項目の中には、1年に1回、30分ほど非常用電源だけにしてみて、病院の設備等が機能するかどうかを試験することが定められています。また、非常用電源が使えなくなったときにどう対処するかを訓練する項目も入っています。
人工心肺をしっかり使いこなすためには、アクシデントに対する“準備”も欠かせないのです。
天皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」