ビールにあらず…痛風で怖いのは生活習慣と体質だった

牛乳が効く(写真はイメージ)(C)日刊ゲンダイ

■牛乳が効く

 しかし、プリン体が多く含まれる飲み物や食べ物を取ったからといって痛風を引き起こしやすいというのは事実なのか。

「プリン体の7~8割は細胞核を分解する過程で生成され、食べ物によるものはせいぜい2~3割に過ぎません。体内で作られるプリン体には2つあって、細胞の新陳代謝に伴って産出されるものと、急激な無酸素運動によって作り出されるものがあります。つまり、プリン体を多く作る原因は食べ物以上に日頃の体の動かし方などにあるのです」

 しかも、最近わかってきたことは尿酸を上げる主な原因は「体内から排出する力」であり、それは男女差や体質が大きく影響するということだ。

「痛風は圧倒的に男性に多い病気です。女性は女性ホルモンのおかげで腎臓から尿酸を排出する力が男性より優れているからです。東大の研究グループにより、尿酸の排泄に関する遺伝子ABCG2遺伝子が変異を起こすことで、腎臓から尿酸を体外に排出しにくくなることもわかっています。また、痛風の患者さんの60%は肥満。肥満になると尿酸の排出量が減り、肥満を治すとそれが戻ることがわかっています」

3 / 4 ページ

関連記事