ちなみに、肝硬変のリスクとなる脂肪肝は、お酒のアルコールの分解能力の低い人、つまりお酒を飲むと顔が赤くなる人はできやすい。熊本大学の研究によると、たとえお酒を飲まなくても、食生活の乱れや運動不足などにより脂肪肝ができやすく、肝機能検査値がそれほど高くなくてもできやすいという。
「心筋梗塞や心臓弁膜症、高血圧などの患者さんに見られる慢性心不全も腹水がたまりやすい。右心室の機能が衰える右心不全では、静脈がうっ血し、全身に血がたまります。血液の巡りが悪くなるため栄養が行き届かず、疲れや脱力感があり、手足が冷たくなります」
■性感染症の可能性も
ほかに腹水がたまる病気としては腎不全、膵炎などがあるが、女性で注意したいのがクラミジアと呼ばれる性感染症だ。
「感染しても80%近い女性は自覚症状がないといわれ、感染者の最大40%は骨盤内腹膜炎をはじめとした骨盤内感染症を患い、それが不妊症の原因になるといわれています。骨盤内腹膜炎を起こすと大量とは限りませんが腹水がたまります」
心当たりのある人は一度医師に相談した方がいいかもしれない。