痛むのに原因わからず…「慢性疼痛」を治す4つのポイント

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 ずっとつらい痛みが続いているのに、検査を受けてもとくに異常は見つからない――。厚労省の調査によると、そんな「慢性疼痛」に悩む患者は全国に1700万人もいると推計されている。

 痛みの原因となる病気やケガが治っているのに3カ月以上も長く痛みが続く場合、「慢性疼痛」と診断される。自覚症状としては、腰痛、肩痛、関節痛が上位を占めている。これらのつらい痛みが続くことで外出がままならない患者も多く、仕事や家事を休まざるを得なくなったり、入浴やトイレといった日常生活に支障を来すケースもあるなど、QOL(生活の質)は著しく低下する。

 厚労省「慢性の痛み対策研究」のメンバーで、岡山大学病院整形外科/医療安全管理部助教の鉄永倫子氏は言う。

「慢性疼痛は、疾患や外傷による急性疼痛がきっかけになる場合がほとんどです。通常、炎症や刺激による痛みである『侵害受容性疼痛』は、治療や時間経過によって治まります。しかし、身体の障害を『痛み』として脳に伝える神経が誤作動を起こすと、ささいな刺激でも痛みを感じる『神経障害性疼痛』に移行して慢性化すると考えられています。さらに、痛みが続くことで痛みばかりが気になるようになり、不安や恐怖で症状が悪化する『痛みの悪循環』に陥っている患者さんも少なくありません」

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