世界が注目 完治困難な「好酸球性副鼻腔炎」の新たな治療概念

“新しい概念”で手術も回避できる可能性も(C)日刊ゲンダイ

 慢性副鼻腔炎には完治が難しいタイプがあるが、最近日本で広まりつつある“新しい概念”によって、うまくコントロールできるかもしれない。

“新しい概念”とは、「one airway, one disease(一つの気道、一つの疾患)」というもの。国際アレルギー性鼻炎ガイドライン「ARIA」が提唱した。

 東京女子医大耳鼻咽喉科・野中学教授が説明する。

「かつては、アレルギー性鼻炎など上気道の疾患と、喘息など下気道の疾患は、別々に治療が行われていました。ところが新概念では、上気道と下気道は一続きの気道であり、それぞれは同じ一つの疾患であるとしています。上気道と下気道両方、併せて治療すべきとの考えです」

 これは、慢性副鼻腔炎にも当てはまる。

 慢性副鼻腔炎は、蓄膿症ともいわれる慢性化膿性副鼻腔炎と、好酸球性副鼻腔炎とがある。前者は副鼻腔が細菌に感染して発症。後者は、白血球の一種である好酸球が活性化し、副鼻腔の粘膜に炎症を引き起こしたものだ。

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