皮膚を科学する

なぜ山芋の「とろろ」でかゆくなるの? そして対処法は

山芋は非アレルギー性で銀杏やマンゴーはアレルギー性(C)日刊ゲンダイ

「通常、針状結晶は結晶細胞の中で針を束にしたような状態で存在しています。それが皮をむいたり、すりおろしたりすることで結晶細胞が崩れて、針状結晶がバラバラに解けて皮膚に刺さる状態になるのです。ただ、それを食べても口の中や消化管は粘膜に保護されているので問題ありません。胃に入れば胃液で溶けてしまいます」

 とろろのかゆみの強さには個人差があるが、かゆいから苦手と避けるのはスタミナ食材としてもったいない。シュウ酸カルシウムは酸に弱いという性質がある。口の周りや付着した皮膚の部分にかゆみが出たら、酢水やレモン水で洗い流すと結晶が溶けてかゆみがかなり軽減するという。

 とろろのかゆみは非アレルギー性だが、植物の中では触れることによって強いかゆみを伴うアレルギー反応を起こす「ウルシ」が有名だ。ウルシでかぶれた経験のある人は、他の植物でもかぶれや発疹を起こすので注意した方がいい。

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