数字が語る医療の真実

ビタミンCを取ると「風邪が1日早く治る」は本当か?

一般的な必要量は100ミリグラム、その2~80倍の量のビタミンCを取る(C)日刊ゲンダイ

 ビタミンB1について取り上げてきましたが、今回からはビタミンCです。ビタミンCの欠乏は、「壊血病」といって、貧血を来し、粘膜に異常が表れ、傷の治りが悪くなり、感染症にかかりやすくなるという状態を招きます。この壊血病は、新鮮な野菜や果物の摂取ができなくなる大航海時代の長期航海中の船員に蔓延し、「かんきつ類が有効らしい」ということから、レモン汁の摂取によって克服されました。ビタミンB1によるかっけの克服と似たような歴史があります。

 そんなビタミンCですが、現在では欠乏症はほとんどなく、私自身、実際の患者を診たことはありません。現在のビタミンCの話題は大量摂取にどんな効果があるかというのが大部分です。そんな中、「風邪にビタミンCが効果的」という説があります。それについてのランダム化比較試験のメタ分析の結果についてご紹介しましょう。

 小児から成人に至る幅広い風邪患者が、200~8000ミリグラム/日のビタミンCを摂取すると、風邪の持続日数が10%弱短くなるという結果です。

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名郷直樹

「武蔵国分寺公園クリニック」院長、「CMECジャーナルクラブ」編集長。自治医大卒。東大薬学部非常勤講師、東大医学教育国際協力研究センター学外客員研究員。臨床研究適正評価教育機構理事。7月末に「検診や治療に疑問を感じている方! 医療の現実、教えますから広めてください!!」(ライフサイエンス出版)を出すなど著書多数。

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