高齢者のふらつきや気分の悪さは「急性腎障害」を疑う

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「糖尿病、高血圧、高尿酸血症など腎機能を低下させる疾患を抱えている人が多い。さらに、これらの治療薬の中には腎臓に負担をかける薬も含まれています」

 もともと加齢で腎臓の機能が低下しているということもある。たとえ疾患のコントロールがうまくいっていても、薬や脱水症状などの要因が重なって、急性腎障害を引き起こす可能性はある。

 急性腎障害から慢性腎臓病へ移行するリスクを少しでも下げるには、早期対策が重要なポイントになる。

 まず、手術がきっかけで起こる急性腎障害には、早期発見バイオマーカーとして開発された尿中NGAL(好中球ゼラチナーゼ結合性リポカリン)やL―FABP(L型脂肪酸結合蛋白)に注目が集まっている。

「血中クレアチニン値は、腎機能が低下してから48時間後くらいに数値が上昇するので、発見のタイミングとしては遅い。一方、尿中NGALは6時間後には数値が上昇します」

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