高血圧の新治療「腎デナベーション(除神経)」の実力

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 一方、血管収縮で心臓から腎臓への血流が減少し、交感神経が活発化。やはり血圧が上昇する。

「腎デナベーションでは、大腿部あるいは手首からカテーテル(細い管の医療器具)を入れ高周波や超音波で腎動脈周囲の交感神経を焼灼します」

■一度の治療で効果継続

 これまでの研究では、薬剤を3剤服用しても収縮期血圧(上の血圧)が160㎜Hg以上の人、いわゆる薬剤治療抵抗性高血圧を対象にした臨床試験がある。シャム手術(見せかけの手術)を施行した群と厳密に比較した場合、腎デナベーション群で診察室血圧の低下度に有意な差は見られなかった。

 しかし、薬物治療が効きにくい早朝や夜間の血圧が有意に低下し、早朝、夜間ともにピーク時で約5㎜Hg低かった。さらに睡眠時無呼吸症候群(SAS)による高血圧でも有意に差が出た。SASでは、ピーク時で8・8㎜Hgの差があった。

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