高血圧の新治療「腎デナベーション(除神経)」の実力

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 腎デナベーションは実施した患者全員に効くのではない。現時点の課題は、どの患者に効き、どの患者に効かないかの見極めだ。

「早朝・夜間高血圧やSASへは効果が高く、収縮期血圧だけが高く、拡張期血圧が90未満の血管が硬化した収縮期高血圧患者では効果が低い。詳細は今後の研究結果次第です」

 苅尾教授は、過去の臨床試験から、3分の2くらいの薬剤治療抵抗性高血圧に効くのではと考えているという。

 この治療は高血圧の薬をゼロにできるものではなく、治療後も服薬は必要。減薬の報告はある。また、レニンの分泌過剰による高血圧は腎動脈狭窄(腎血管性高血圧)でも起こるが、病気のメカニズムが違うので、今回の治療は効かない。

 なお、腎デナベーションの実用化に向けた臨床試験は、日本メドトロニック、テルモ、大塚グループのJIMROの3社が行っている。

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