これらの有害物質は速やかに肺に到達し、血液から全身の臓器に運ばれ、DNAに損傷を与えるなどしてがんの原因となるのです。
2010年、IOC(国際オリンピック委員会)とWHO(世界保健機関)は「たばこのない五輪の推進」で合意し、その後、五輪開催都市だったロンドンとリオデジャネイロでは、飲食店などの屋内全面禁煙が実現したそうです。そして、「その禁煙による飲食店の客離れはなかった」とする調査もあります。
わが国の今回の健康増進法の改正では、2020年の東京五輪開催に間に合うように受動喫煙対策を強化するとされています。しかし、多くの医師は「これでは消極的で情けない案である」と反対しています。
世界では禁煙対策によってがんは減ってきているのに、日本はこれでいいのだろうか。少なくとも受動喫煙がなくなれば、たばこを吸わないのに、たばこで亡くなる1万5000人の命は助かるのです。
がんと向き合い生きていく