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【緑内障治療】タフな視神経をつくり 視機能障害を改善

原田高幸分野長(C)日刊ゲンダイ

「私たちが目をつけたのは古くから抗てんかん薬や気分障害、片頭痛の薬として使われてきたバルプロ酸です。最近、視細胞保護効果の可能性が報告されたからです」

■「眼圧を下げる」以外には3つの方法が

 緑内障のマウスをバルプロ酸を投与した群と、しない群に分けて、OCTで網膜神経節細胞死の違いを調べたところ、視神経保護効果が確認できたという。このとき神経栄養因子(BDNF)の発現が増えていたという。

 胃薬の成分であるGGAを経口投与すると熱ショックタンパク質(HSP)を誘導して視神経を守ることも分かってきた。

「通常、細胞が熱などのストレスを受けると、他の細胞を守るために細胞死させるか、新たにタンパク質をつくって破壊されたタンパク質を修復するか、修復不能なタンパク質を分解しようとします。そこで生後3~5週のマウスに胃薬を投与したところ視神経細胞の保護効果が見られました」

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