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【緑内障治療】タフな視神経をつくり 視機能障害を改善

原田高幸分野長(C)日刊ゲンダイ

 さらにチーズ、大豆、納豆などの発酵食品に多く含まれるスペルミジンの研究も行われている。

「スペルミジンは長寿の人の腸でたくさん見つかります。細胞の中の古くなったゴミを処理するオートファジーの働きを活性化するなどして視神経保護に役立っています」

 最近は、マウスを1日おきに断食させることで網膜神経細胞死が抑制されることも分かっている。

「OCTで確認し、多局所網膜電位測定により、視機能障害も改善することが確認されました。人間の場合はカロリーを3割減らすことで同じような効果が期待できると考えています」

 つまり、緑内障の治療は「眼圧を下げる」以外に、「視神経保護作用のある薬や食品」「カロリー制限」を追加することで、さらに高い治療効果を得られる可能性があるという。

 最近は神経細胞でしか働かないDock3というタンパク質に着目。本来は再生しないはずの視神経を伸ばす研究も進めているという。

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