Dr.中川のみんなで越えるがんの壁

小林麻央さんは34歳で他界 15~39歳“AYA世代”のがんの特徴

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

■20代は生殖器に頻発

 20代では、胚細胞腫瘍・性腺腫瘍が16%で、女性に多い甲状腺がんが12%で続きます。胚細胞腫瘍は、胎児期に各細胞に分化する能力を持った原始胚細胞が悪性化したものです。AYA世代に多く、小児期にできるものは、半数が脳など生殖器以外に発生。青年期だと、精巣に発生するタイプが9割以上です。

 マラソンで東京五輪を目指している糟谷悟さん(34)は、29歳のとき悪性リンパ腫と診断されたものの、治療でがんを克服。ランナーに復帰しています。五輪候補を苦しめたリンパ腫が20代の4位です(10%)。

 15歳以上のハイティーンも14歳以下も、白血病がトップ。14歳以下で38%、ハイティーンで24%に上ります。ハイティーンの2位は胚細胞腫瘍・性腺腫瘍で、14歳以下の2位は脳腫瘍。3位はどちらもリンパ腫です。

2 / 3 ページ

中川恵一

中川恵一

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

関連記事