医者も知らない医学の新常識

体重によって調整が必要 太った人にアスピリンは効かない

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 子供に使う薬は体重によってその量が変わります。しかし、大人に使う薬は、やせた人でも太った人でも同じ量です。これはどこかおかしくないでしょうか? 

 アスピリンという薬があります。解熱鎮痛剤といって熱を下げたり痛みを取るために使用されますが、そうした用途とは別に、1日75~100ミリグラムという少量で継続的に使用すると、血を固める血小板という成分の作用を抑える働きがあり、心筋梗塞や脳卒中を予防する効果のあることが知られています。そのために、この少量のアスピリンは、病気の予防のために世界中で広く使われています。このアスピリンの用量は、世界中でほとんど違いがありません。体重が40キロでも100キロでも同じ量を使っているのです。それで本当に問題はないのでしょうか? 

 今年の「ランセット」というイギリスの有名な医学誌に、それについてちょっとショッキングな論文が掲載されました。体重ごとにアスピリンの1次予防の効果を比較したところ、最も効果があったのは体重が50~60キロ台で、70キロを超えるとその効果は認められませんでした。薬の効果があるのはあくまで標準的な体格の人で、うんと太った人ややせた人では、その量を調整しないと、本来の効果は得られないのかも知れません。

石原藤樹

信州大学医学部医学会大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

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