後悔しない認知症

周囲の対応で変わる 都会と田舎で認知症の進行が違うワケ

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「田舎と比較すると都会の認知症患者は進行が速い」

 長年、多くの認知症の患者さんを診てきたが、そのことを実感した。都会、とりわけ「山の手」と呼ばれるエリアでは症状の進行が速いのだ。私はかつて同時期に東京の杉並区にある病院と茨城県鹿嶋市の病院で認知症の患者さんを診ていたことがある。そこでの経験がそれを実感させたのだ。原因はいくつかあるのだろうが、地域の認知症に対する意識の違い、子どもの対応の違いが深く関わっているのではないか。

 都会では親の認知症を隠したがって外出を控えさせる。田舎は自由に外出させる。誤解を恐れずに言えば、認知症の高齢者に対する考え方が偏狭か、寛容かの違いである。それは生活している地域の人間関係の濃密度が影響しているのではないか。都会では同じマンションの住人同士が顔を合わせても軽いあいさつをする程度。共用部分の郵便受けにも部屋番号だけしかなく、住人の名前も記されていない。個人情報の問題があるとはいえ、これでは人間関係が希薄になるのは当然だ。

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和田秀樹

1960年大阪生まれ。精神科医。国際医療福祉大学心理学科教授。医師、評論家としてのテレビ出演、著作も多い。最新刊「先生! 親がボケたみたいなんですけど…… 」(祥伝社)が大きな話題となっている。

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