後悔しない認知症

薬でも改善しない…がんやうつでも認知症と似た症状が出る

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「親がヘン」↓「ボケた」↓「認知症」↓「治らない」

 高齢の親の変化を目の当たりにすると、その子どもの多くはこう考えてしまいがちだ。だが、「親のヘン」に何の疑問も持たずに認知症と決めつけてしまってはいけない。最近、テレビなどで認知症が盛んに取り上げられ、私自身首をかしげたくなるようなことを話す医者がいることも影響しているのかもしれない。

「物忘れがひどくなった」「ものごとの理解力が衰えた」「言動が変わった」といった症状の原因のすべてが認知症によるものとはかぎらないと知っておくべきだ。

「医者に診てもらったのによくならない」

 親が認知症と診断され、投薬を受けたにもかかわらず改善の兆しがないことに落胆する子どもの話を聞く。たしかに認知症そのものは治らない病気だが、妄想や大声などの症状は改善することも多い。だが、ケースによっては誤診の可能性も否定できない。なぜなら「認知症らしく思えても原因は違う」ことも少なくないからだ。

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和田秀樹

和田秀樹

1960年大阪生まれ。精神科医。国際医療福祉大学心理学科教授。医師、評論家としてのテレビ出演、著作も多い。最新刊「先生! 親がボケたみたいなんですけど…… 」(祥伝社)が大きな話題となっている。

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