治らないめまいに“持続性知覚性姿勢誘発めまい”の可能性

運動と呼吸法に気をつけ、自律神経の偏りをリセット(C)日刊ゲンダイ

 ただし、石井医師は、薬だけの使用に懐疑的だ。かつて、めまい治療に薬を積極的に使っていた時期もあったが、一時的にめまいに効いても、今度はこのような薬をやめることが非常に難しいという新たな問題点が生じるからだ。

「長いめまい治療の経験から、疾患が何であれ、めまいでは薬を使わない治療法が最適と考えるようになりました。PPPDについては、薬の使用に関しては意見が分かれています。そもそも私はめまいと自律神経の関係に着目し、自律神経の偏りをリセットすることに重きを置いた治療を行っています。ほかの医療機関で良くならなかっためまいが改善したケースは多くあります」

 石井医師がめまい患者に勧めているのは、運動と呼吸法だ。いずれも、バランスが崩れた自律神経を正常な方向に持っていくのに役立つ。

「運動では有酸素運動がいい。特に3~5分早歩きし、3~5分ゆっくり歩くインターバル歩行が自律神経を整えることは、国内外の研究で明らかになっています。さらに、唯一自律神経に働きかけることができるのが呼吸です。めまいなどに悩んでいる人には、浅い胸式呼吸がよく見られます。これは、交感神経を緊張させ、自律神経のバランスを崩します。横隔膜を動かし、ゆったりとお腹から呼吸する腹式呼吸を心掛けてください」

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