長引く腰痛の陰に…難病指定「強直性脊椎炎」の可能性が

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 男性920例、女性476例を対象にした海外の調査では、強直性脊椎炎は、症状が表れてから診断がつくまで平均9年。日本でも平均6・7年という報告がある。

 大病院を複数回っても診断がつかなかったという患者は珍しくなく、「精神的な病気」と言われた経験を持つ患者もいる。

 確定診断まで時間がかかるのは、強直性脊椎炎の診断基準に「レントゲン検査の所見」が入っているからだ。

「しかし、強直性脊椎炎は早期ではレントゲン検査に異常が表れません。進行スピードは非常にゆっくりです。レントゲン検査で仙腸関節炎が見られたら強直性脊椎炎の確定診断につながりますが、そこに至るまで、腰痛などの症状が出始めてからかなりの年数が必要なのです」

 強直性脊椎炎は、白血球にある抗原「HLA―B27」と関連があることが分かっている。血液検査をすると、強直性脊椎炎の患者の80%以上がHLA―B27が陽性だという。ところが、このHLA―B27の保有率は地域や人種で差があり、日本人は1%未満しか持っていない。

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