Dr.中川のみんなで越えるがんの壁

萩原健一さんは闘病8年 希少がんGISTでも5年生存率は5割超

萩原健一さん(C)日刊ゲンダイ

 皆さん、気になるのが治療法でしょう。この病気の発生には、KITなどの異常なタンパク質が関わっていることが分かってきました。その流れを阻害する分子標的薬がイマチニブで、進行して転移がある場合に使われます。そんな薬の登場で非常に高い治療効果が示されているのです。

 さらにイマチニブが効かなくなればスニチニブを、スニチニブが効かなくなればレゴラフェニブを投与。効果的な分子標的薬が続々と登場したことで、半数を超える方が5年を超えて延命するようになっています。8年の闘病を続けたショーケンさんも、これらの薬を使い分けながら、がんと折り合って生活されたのでしょう。

 希少がんは厄介ながんと思われるかもしれませんが、治療法が確立されつつあるケースが珍しくなくなっています。

 やっぱり、自分が死ぬ時はがんがいいと思います。

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中川恵一

中川恵一

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

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