100年老けない脳の作り方

ボケない暮らしに数学を 大学生の5割以上が間違う問題も

「相対性理論」めで理解しなくていいが…(C)日刊ゲンダイ

■「数学が苦手」な日本人を利用するマーケティング戦略も

 さて、今となっては夢の政策である池田内閣の「所得倍増計画」。1961年から10年間で給与を2倍にするというものだった。先ほど間違った学生は「10年間で2倍だから年10%ずつ10年間給与が増えていけばいい」と考えてしまうだろう。しかし、1.1×1.1×1.1×…と続けていけば、1.1を8回掛けて、8年目には約2.14倍となる。実際、所得倍増計画は経済成長率が想定より高かったこともあって7年で達成している。こうした「数学が苦手」な日本人をうまく利用するマーケティング戦略も、いたるところでよく見かける。

 例えば、あるカード会社は「8秒に1枚の申し込み」と、いかにも人気があるかのような宣伝を展開していた。しかし、1日は8万6400秒だから、1日に約1万枚、年間で365万枚前後の新規加入数になる。そのカード会社の会員数は現在、約1500万。国内最大手のJCBカードが約8400万会員だから足元にも及ばない。

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