看護師僧侶「死にゆく人の心構えと接し方」

「主人は今日、何を食べてくれるのかしら」

玉置妙憂さん(C)日刊ゲンダイ

 例えば、日本そば、うどん、カレー、チャーハン、野菜炒めなどである。

「さて、主人は今日、何を食べてくれるのかしら。ゲーム感覚で、私は多分この食事よと見当をつけていると、本当にその食事を選択してくれるの。“わあ、当たり”と声を出し、夫婦で笑い合うのです」

 長い介護期間に、こうした介護の楽しみ方も見つけだした。主人は自宅で現職の看護師夫人にみとられながら、62歳の生涯を終えている。

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玉置妙憂

玉置妙憂

東京都生まれ、53歳。専修大学法学部卒業後、法律事務所に勤務。長男の重い病気が動機になり30歳の時、看護師資格を取得。46歳の時に、がん闘病の主人を自宅でみとった後、高野山真言宗に得度した。臨床宗教師としても講演、執筆活動を行っている。「大慈学苑」主宰。

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