看護師僧侶という異色ともいえる立場で、これまで、およそ数千人の人を看護、みとってきたという豊富な経験を持つ。
現在なお、がん末期の告知を受けた人、または病床に伏している人や、患者を介護する家族からさまざまな相談を受け、的確なアドバイスを行っている。
アドバイスといっても、玉置さんは多くを語らない。説教や批判も皆無で、励ましの言葉さえも不要にしている。
本人や家族から話を聞く「傾聴」の時間は、相手が8割、残りのわずか1~2割程度が玉置さんの持ち分だ。質素な作務衣姿で対座し、静かに聞きながら深くうなずく。
■やりたいことは前倒しに
「とにかく話を聞いて、聞き流します。たまに“死ぬ直前に妻に面倒かけたね、ありがとうと言いたい”という人には、ダメです。ありがとうという言葉は、今日言いなさいねと、一言付け加えます」
看護師僧侶「死にゆく人の心構えと接し方」