看護師僧侶「死にゆく人の心構えと接し方」

死を恐れず、自分の生き方に合った死生観を持つことが大事

(提供写真)

 この4月、看護師僧侶の玉置妙憂さん(53)は、非営利一般社団法人「大慈学苑」(東京都江戸川区)を立ちあげた。

 大慈の慈は、仏教用語の「慈悲」(慈しむ・悲しむ)から取ったもので、「慈」は「見守ってあげますから、自分で立ち上がりなさい」という意味を持つ。

 玉置さんは看護師20余年、僧侶8年を重ねた看護師僧侶である。

 長年の看護師経験と僧侶として体得した魂(スピリチュアル)を生かして、こんな願いを語る。

「世の中に医学や科学だけではどうしても解決できないことがたくさんあります。まず誰もが逃れられない『死ぬこと』がそうですね。そうした死に逝く人に寄り添い、それをみとる家族の葛藤、その家族たちのきつい介護生活の苦しみ、または地域社会のつながりなど、私の経験を生かした社会活動を行っていきたいと思います」

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玉置妙憂

玉置妙憂

東京都生まれ、53歳。専修大学法学部卒業後、法律事務所に勤務。長男の重い病気が動機になり30歳の時、看護師資格を取得。46歳の時に、がん闘病の主人を自宅でみとった後、高野山真言宗に得度した。臨床宗教師としても講演、執筆活動を行っている。「大慈学苑」主宰。

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