「運動会でカケッコしたの何年ぶりかしら」
認知症ゆえの事実誤認とはいえ、在宅介護時代には見せたことのない笑顔だったという。
私は「自宅介護=親が幸福」「介護施設=親が可哀想」というステレオタイプの発想には疑問の念を禁じ得ない。認知症に限ったことではないが、フィナーレまでお互いにカンファタブル(快適)な関係を維持していくために、在宅介護以外の選択をもっとポジティブに考えるべきだ。子どもの肉体的、心理的負担を喜ぶ親はいないのだから。
後悔しない認知症