「り」は理論的に。
「感情的になってはいけません。次の『ぐ』を守れば可能です」
「ぐ」は具体的に。
「具体性が大事です。そうでないと、何で叱られているかわからないということになりかねません」
最後の「せ」は性格を責めない。
「30代半ばの管理職の女性が20代後半の女性職員に雷を落とした事例があります。遅刻が多く、短いスカートに胸元の開いたトップスという部下のいでたちに、『いつも遅刻してきてどういうつもり! やる気あるの? ないの? 格好からしてだらしない。その性格から直しなさい』と怒鳴った。この場合、身体的接触はないので『し』はOKですが、隔離はできていないので『か』はダメ。感情的に怒鳴ったので『り』もダメ。『ぐ』は服装のことを言ってないのでNG。そして『せ』についても、性格を責めているので逆効果です。直しなさいと言っても効き目は期待できません。冒頭の自殺事件では、女性は上司から『髪ボサボサ、目が充血』『女子力がない』と言われていたようです。このように業務に関係のないことで叱るのも論外です」
部下を注意するとき、「し・か・り・ぐ・せ」を思い出したい。
(構成・中森勇人)
ストレス社会の生き延び方