医師の常套句「様子を見ましょう」の真意

高血圧編<2>降圧剤の変更直後や高齢者は副作用に注意を

生活習慣を見直すことが大事

 降圧薬でよく使われるのは、①カルシウム拮抗(きっこう)薬②アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤③サイアザイド利尿薬の3つで、最初はいずれか1種類の低用量でスタート。それでも血圧が思うように下がらなければ、用量を増やしたり、別のタイプの薬を加えたりするのがセオリーです。

 血圧が140~159/90~99(Ⅰ度高血圧)で、処方は1剤の低用量なら、生活習慣を見直すことで、2~3割は薬をやめることができます。2剤併用でも、薬を減らすことが可能です。

 それくらいの血圧の方が薬の変更なく、「様子を見ましょう」と言われるのは、「生活習慣の改善が不十分」ということの裏返しで、「もう少し生活習慣の改善を頑張ってください」という意味になります。

 ただし、高齢者はすでに動脈硬化が進んでいることが多く、急に血圧を下げ過ぎると、めまい、頭重、全身の倦怠(けんたい)感、食欲不振などが表れやすいので、慎重な投与が大切です。そういう場合の「様子を見ましょう」は、副作用に注意しながら無理のない範囲で血圧を下げましょうということになります。

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