夜泣きに追い詰められた母親が…乳幼児に睡眠薬投与の是非

乳幼児に睡眠薬処方は臨床の現場ではゼロではない

 病院では乳幼児を眠らせる薬を検査時などで使うことがある。

 ならば、“医師の処方の下でなら使ってもいいのではないか”という意見が出ても不思議ではない。

「乳幼児への睡眠薬投与は副作用で呼吸が止まってしまう危険性があり、医師の監視下での使用が鉄則です。赤ちゃんがぐずるから、夜泣きが激しいからといって親が飲ませることは積極的には勧められません。しかし、個別の事情で1回や2回なら出した方がいいのではないか、と迷うことがあるのも事実です」

 実際、複数の医師に聞いたところ、依存性のない睡眠導入剤などを出すケースはあるという。

 東日本大震災直後に不安・不眠・夜泣きを訴える子供が増えたとき、乳児から使える処方として「ペリアクチン」「アタラックスP」「ウインタミン」などが使われたケースがあった。これは特殊例だが、いまはあくまでも医師が慎重に判断し、赤ちゃんの体重に合わせた薬の量を厳格に調べることで初めて処方される。ただし、生後28日までの新生児には禁忌の薬もある。素人が勝手に判断しては絶対にいけない。

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