中高年「偽関節」リスク 家庭での“足をゴン”は甘く見ない

病気にかかりやすくなり慢性疼痛に悩まされる

 そもそも折れた骨がくっつくのは、骨折後、破骨細胞によって不要なものが始末され、骨芽細胞によって新たな骨ができるからだ。

「骨が折れると骨組織が破壊されて骨を覆っている骨膜が切れ、血管も切断されて骨折によって生じた間隙に血腫ができます。この時期は炎症期と呼ばれ、炎症が起きて痛みがあります。ギプスなどで固定してしばらく経つと、骨折した場所に周囲から幼若結合組織細胞が入ってきて骨髄に肉芽組織が形成され、切れてしまった毛細血管も新たに作られて、壊死した細胞が吸収されていきます。やがて軟骨が徐々に形成されて骨折した骨と骨がくっつきます。これを仮骨といいます。この段階が修復期です。仮骨は時間が経つと強度を増し不要なものは破骨細胞により吸収され、骨芽細胞によって新たな骨が形成され(再造成期)、骨は元に戻るのです」

■慢性疼痛に悩まされることに

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