数値も劇的に変化。ヘモグロビンA1cは6台の標準値をずっと維持しており、「このままいけば、糖尿病の薬もやめられるかもしれない」と本人と話していたのです。
ところが、ある時から急に、ヘモグロビンA1cのコントロールが悪くなりました。急に8台に上がり、下がらなくなったのです。改善した生活習慣をそのまま保っているのに、です。
私は、血糖の適正値を維持していたのに急にコントロールが悪くなった患者さんや、一生懸命生活習慣改善に取り組んでいるのに血糖が高いままで下がらない患者さんの場合、必ずと言っていいほどがんを疑い、全身を検査します。この男性にもそのようにしたところ、早期の膵臓がんが見つかりました。
■血糖コントロールが悪い人はがんを疑う
よく知られるように、膵臓がんは健康診断や人間ドックを毎年受けていても早期発見が難しいがんです。悪性度が高く、早い段階で転移が起こりやすく、再発リスクが高い。
進化する糖尿病治療法