後が絶たない「小児性愛障害」は依存症…親はどう対策を

 斉藤氏が小児性愛障害の治療の必要を強く説くのは、小児性愛障害を擁護しているからではない。依存症にはアルコール依存症や薬物依存症など自己の健康を害する問題が一般的だが、反復する性暴力は他者の健康を害する問題で、小児性愛障害はそんな他害行為を含む依存症の中でも極めて再発率が高いからだ。それは、小児性愛障害に「子どもも喜んでいた」「性教育の一環」「純愛だ」といった強力な“認知の歪み”があり、また日本は性加害を起こす引き金になるリスクの高い児童ポルノなどがネットなどで簡単に入手できることも関係している。

「私が治療で関わってきた小児性愛障害の人には、早い段階から自慰行為を通して子どもへの性的関心を自覚している人もいれば、ある時“パンドラの箱”が開いてしまった人もいます。後者では、それまで子どもに性欲を抱いていない、または結婚して子どももいる、という人が、“たまたま児童ポルノを目にする”“教職で子どもと密に接する”などで子どもへの性的関心に気付き、『これこそ自分が求めていたものだ』と衝撃を受けてしまう」

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