HSVとVZVは、どちらもヘルペスウイルスですが、種類が異なるので、似ているところもあれば違うところもあります。一度感染すると体内の神経節にすみ着いて、感染者は一生、付き合っていかなければいけないのは同じです。水ぶくれの症状が出るのも同様です。
HSV2型は、性器や肛門周囲に症状が出るという特徴があります。一方、VZVは特に胸や背中、顔面、頭部に症状が出ることが多いのですが、知覚神経のある場所ならどこでも発症する可能性があります。つまり、性器や肛門周囲に帯状疱疹による水ぶくれが発症することもあるのです。性器や肛門周囲を支配する神経領域は「仙骨神経」で発症頻度は帯状疱疹全体の8.2%という報告があります。
このように性器に水ぶくれができたといっても、必ずしも性感染症とは限らないのです。それに性器ヘルペスは感染しても発症せず、無症状でウイルスを排出している不顕性感染が70~80%と多く、本人も気づかないまま他人にうつしてしまいます。感染から数年も経って発症すれば、いつ感染したのかも分からない。そして再発を繰り返すことが多い。
専門医が教える パンツの中の秘密