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冬に多い大動脈解離 60歳以上の男性は午前中の高血圧に注意

大動脈解離を発症した加藤茶さん(C)日刊ゲンダイ

 ちなみにA型である胸部大動脈解離では、発症後48時間以内に50%、1週間以内に70%、2週間以内に80%の高率で死亡するといわれていますが、B型の下行大動脈や腹部大動脈の解離では、1カ月の死亡率は2割以下と予後は良好です。

 大動脈解離の症状は、胸部や背部の強い痛みが続くことが知られていますが、痛みが移る場合があるほか、まれに違和感のみのケースもあります。

 超高齢社会において大動脈解離はまれな病気ではなくなりました。メタボリック症候群やリスクのある人は定期的に人間ドックで体の状態を調べてもらい、生活習慣病の管理やストレスを避けることが大切です。

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東丸貴信

東丸貴信

東京大学医学部卒。東邦大学医療センター佐倉病院臨床生理・循環器センター教授、日赤医療センター循環器科部長などを歴任。血管内治療学会理事、心臓血管内視鏡学会理事、成人病学会理事、脈管学会評議員、世界心臓病会議部会長。日本循環器学会認定専門医、日本内科学会認定・指導医、日本脈管学会専門医、心臓血管内視鏡学会専門医。

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