Dr.中川のみんなで越えるがんの壁

だいたひかるは放射線に25万円 高額療養費を使い尽くすワザ

がん患者の不安解消に一役買っているお笑いタレントのだいたひかるさん(C)日刊ゲンダイ

 そこで奥の手が。手術などで入院する前に事前に自治体や組合などに「限度額適用認定証」を申請して、入院時に保険証と一緒に病院に提出すれば、退院時に支払う医療費が高額療養費制度の上限額で済むのです。だいたさんが「先に提出して」と書いているのは、この裏技を使ったことを意味しています。

 がんの治療は、往々にして長期戦で、高額療養費制度はそんな長期戦に効果を発揮します。3カ月以上、高額療養費の対象になると、4カ月目から「多数該当」になり、上限額がさらに抑えられます。先ほどと同じ収入区分だと、月額4万4400円です。

 自費治療は高額療養費の対象外ですが、放射線は99%以上が保険適用。適用外は粒子線の一部ですから、ほとんどが高額療養費制度の対象になります。充実した高額療養費制度がありますから、がん保険の中身はよく考えてください。

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中川恵一

中川恵一

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

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