そこで奥の手が。手術などで入院する前に事前に自治体や組合などに「限度額適用認定証」を申請して、入院時に保険証と一緒に病院に提出すれば、退院時に支払う医療費が高額療養費制度の上限額で済むのです。だいたさんが「先に提出して」と書いているのは、この裏技を使ったことを意味しています。
がんの治療は、往々にして長期戦で、高額療養費制度はそんな長期戦に効果を発揮します。3カ月以上、高額療養費の対象になると、4カ月目から「多数該当」になり、上限額がさらに抑えられます。先ほどと同じ収入区分だと、月額4万4400円です。
自費治療は高額療養費の対象外ですが、放射線は99%以上が保険適用。適用外は粒子線の一部ですから、ほとんどが高額療養費制度の対象になります。充実した高額療養費制度がありますから、がん保険の中身はよく考えてください。
Dr.中川のみんなで越えるがんの壁