さて、3回目の手術の組織結果が良好だったので、Aさんはやっと手術から解放されました。これからは半年に一度、腫瘍専門医(オンコロジスト)の女性医師に会って、長く経過観察することになります。ありがたいことに、21世紀では乳がんですぐに亡くなるということはまずありません。これからは腫瘍専門医が主治医になり、タモキシフェンというホルモンを用いた抗がん剤の処方や、定期検査のプランもその先生が提案します。
幸い、Aさんが出会った外科医と腫瘍専門医は素晴らしい人たちでしたが、それぞれの立場でプロフェッショナルとして淡々と意見を述べてくれるだけです。患者自らが果たす役割がとても大きいのです。
米国には極端に人と人の関係性を重視する社会という側面があるので、Aさんの近しいコミュニティーに米国人医師がいたら、展開は違った可能性もあります。しかし、自分が動かなければいけないことは変わりません。
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