上皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」

花粉症対策を万全にして新型コロナと心臓疾患から身を守る

順天堂大学医学部付属順天堂医院の天野篤前院長(C)日刊ゲンダイ

■適切な薬を使えば症状は改善できる

 新型コロナウイルス騒動を乗り切るのはもちろん、心臓を守るためにも、花粉症対策は万全にしておきましょう。

 花粉症は比較的薬がよく効く疾患なうえ、いまは飲み薬だけでなく、さまざまな外用薬も揃っています。適切な薬を選べばしっかり症状を軽減できます。

 局所だけに作用するステロイド点鼻薬は、1日1回、鼻に直接噴霧するだけで効果があります。点眼薬も、かゆみを軽減する抗アレルギー点眼薬で作用時間の長いものも開発され、コンタクトレンズ装用者も安心して使用可能です。目鼻同時に1回使用で24時間効果が持続する貼るタイプの抗ヒスタミン薬も登場しました。

 新型コロナウイルス騒動の中で肩身の狭い思いをしないためにも、飲み薬を服用しながら、症状や状況に応じて、そうした局所外用薬を選択肢として考えるべきでしょう。自己判断で選んだ市販薬を使うのではなく、きちんと専門医にかかって適切な薬を処方してもらうことが大切です。

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天野篤

天野篤

1955年、埼玉県蓮田市生まれ。日本大学医学部卒業後、亀田総合病院(千葉県鴨川市)や新東京病院(千葉県松戸市)などで数多くの手術症例を重ね、02年に現職に就任。これまでに執刀した手術は6500例を超え、98%以上の成功率を収めている。12年2月、東京大学と順天堂大の合同チームで天皇陛下の冠動脈バイパス手術を執刀した。近著に「天職」(プレジデント社)、「100年を生きる 心臓との付き合い方」(講談社ビーシー)、「若さは心臓から築く 新型コロナ時代の100年人生の迎え方」(講談社ビーシー)がある。

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