患者さんの中には「ケーキやお菓子と違って、果物はビタミンが取れるから」と、“体にいいもの”と思って1日に2個も3個も食べている人もいましたが、それは明らかに食べ過ぎで、血糖値を上昇させます。
冬に高くなった血糖値に何ら対策を講じないでいれば、次の冬にもまた血糖値が高くなります。「負の遺産」が増えていくわけです。だから、春に「リカバリーしましょう」と患者さんにお話しするのです。なお、血糖値だけに言及していますが、冬に高くなるのは血圧、脂質も同様です。したがって、血圧、脂質も、春のリカバリーが必要です。
■イスに座る時間を減らすだけでも効果が
対策の基本は、食事です。糖尿病の患者さんにとっては耳にタコかもしれませんが、糖質、塩分、脂質は少なめに、バランスの良い食事を取る。まだ糖尿病でない人も、冬に血糖値が高い状態を積み重ねれば、いつか糖尿病となってしまいます。春には食事の見直しを行いましょう。幸いなことに、春は野菜がとてもおいしい。やわらかく甘味がある春野菜を、ごく少量の塩やオリーブオイルで味付けしていただくのはどうでしょうか?
進化する糖尿病治療法