進化する糖尿病治療法

巣ごもり生活で自炊が増えて結果的に健康度が上がった

臨時休業を告知する飲食店の張り紙(C)日刊ゲンダイ

 週末は、風光明媚な土地だったこともあり、自転車でサイクリングに出掛けたり、会社の仲間とハイキングに出掛けるなど、アクティブに体を動かしていたそうです。

 35歳で現在の会社へ転職し、東京勤務に。配属された部署は残業が多く、終電近くまで会社にいることが増え、必然的に食事時間が深夜に及ぶことも増えました。深夜に開いている店といえば、焼き肉屋かラーメン屋。Fさんはお酒も大好きなので、同僚や後輩を誘って飲みにいくことも多く、週末は体の疲れを取るために寝て過ごす。体重が半年で一気に15キロ太り、健康診断の数値も悪化。もともと血糖値が高めだったのですが、年々上昇し、とうとう基準値を超えてしまいます。

 40歳で結婚。結婚相手が料理好きで、運動好き。彼女が作る和食を中心とした食事を取り、一緒にジョギングや水泳を楽しんでいるうちに、体重は元に戻りました。一時期基準値を超えた血糖値も下がり、基準値内に収まったのです。

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坂本昌也

坂本昌也

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

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