耳鳴りを感じたらすぐ受診 チェックしたい「間違った治療」

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

■薬が効くという十分なエビデンスはない

「耳鳴り=薬」という考えは捨てた方がいい。

「耳鳴りでうつ状態や睡眠障害があるなら、精神科医や心療内科医と相談の上、薬を処方することもあります。特に睡眠障害は耳鳴りを悪化させるので、その対応はすべき。しかし、薬が耳鳴りや耳鳴りによる苦痛を改善するというエビデンスはない。薬を積極的に用いることはありません」(神崎医師=以下同)

 欧米諸外国のガイドラインでも、薬物療法を行わないことが推奨されている。

■重要なのは「起こる理由を知ること」

 耳鳴りの大半は難聴ありきで起こっている。

「音は、内耳の蝸牛で電気信号に変換され、脳に送られます。しかし、加齢などで蝸牛の細胞が障害される難聴になると電気信号が送られず、脳が興奮状態になる。その興奮を脳が“音”として受けるようになり、耳鳴りが生じるのです」

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