院内感染42人…都立墨東病院の今「医療崩壊は信頼の崩壊」

うつ病になるスタッフも…(都立墨東病院)/(C)日刊ゲンダイ

「ただ、入院される患者さんは、寂しそうですね。入院前に『病状が急変しても、必ずしも面会がかなわないかもしれない』旨の話をされるケースもあるようで、入院時に今生の別れだと家族と泣いておられた患者さんもいらっしゃったようです」

 院内の人間関係も微妙に変化してストレスがたまっている。

「誰もが感染したくないのでリスクのある仕事はしたがりません。現在、人手の足りない感染症の患者さんの治療のために、一般外来担当の看護師さんら医療スタッフも助っ人として駆り出されていますが、その不満が出ているようです」

 仲間内では「それなら病院を辞める」と発言する人もいるという。

「病院には清掃やコピーをするスタッフの人が働いています。院内感染がわかってからは、“コロナ感染患者さんに関わる仕事はしません”と言い出す人もいるようです。多くは派遣会社から来ているので会社の方針なのかもしれません。代わりに感染者が触れる入退院の書類のコピー取りやベッドメーキングなども看護師さんの仕事になり、不満が高まっていると聞いています」

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