アビガン開発者・白木公康氏に聞く 新型コロナとの戦い方

アビガン開発者で富山大学名誉教授の白木公康氏(左・アビガンの錠剤=ロイター)/(C)日刊ゲンダイ

 サイトカインが出ると熱が出ます。ほとんどRNAが合成されないときにアビガンを投与すればそれほど熱は出ません。しかし、感染した細胞内でRNAのコピーが目いっぱい作られた後に効くタミフルやゾフルーザでは高い熱が出るし、その期間も長くなるのです。

 新型コロナウイルス感染症は重症になるとサイトカインストームが起きるのではないか、との議論があります。サイトカインストームとはサイトカインが過剰に分泌され、全身の臓器にダメージを与えることを言います。しかし、そんな議論はアビガンを早期に使えば、病変も小さいので不要です。

 いずれにせよ、投与のタイミングさえ間違わなければ現時点ではアビガンが最も効果があると思います。

 ――しかし、中国は最初にアビガンの効果を認めながら、後になってアビガンを推奨した論文を引き下げたりもしています。

 この論文のデータに問題はなく、データはそのまま再掲載されました。この経緯については、半年もすれば明らかになると思います。

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