Dr.中川 がんサバイバーの知恵

がん闘病中の大島康徳氏は高熱でもPCR陰性 原因は腫瘍熱か

大島康徳さん(C)日刊ゲンダイ

 では、最後に大島さんの高熱の原因について。「腫瘍熱」の可能性があるのではないかと思われます。腫瘍そのものによる発熱で、感染などによりません。進行がんによく見られます。

 腫瘍熱の公式な診断基準はありませんが、「37・8度以上の発熱が1日1回以上」「発熱の期間が2週間以上」などの項目が掲げられることもあることから分かる通り、従来の「37・5度以上」「4日以上」という従来の基準を満たしやすいのが腫瘍熱です。

 今の局面ではとても紛らわしいですから、がん患者は異常があればすぐに検査を受けるべきです。

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中川恵一

中川恵一

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

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