DICとは、全身の血管内で血液凝固反応が起こって微小血栓がたくさんできる病態です。血管に血栓が詰まって血液が十分に行き渡らなくなって臓器不全を招いたり、凝固過剰によって凝固因子と血小板が使い果たされ、結果として血栓を溶かす線溶という状態だけが残るために大量出血しやすくなります。
新型コロナウイルスによってできた血栓が冠動脈に詰まると心筋梗塞や肺梗塞、脳の血管に詰まると脳梗塞を招きます。新型コロナウイルス感染症の重症例では、若くて健康でも急激に悪化して亡くなるケースも多く見られます。これは、感染で生じた血栓によって、心筋梗塞、肺梗塞、脳梗塞などを合併しているためではないかと考えられているのです。
抗凝固薬や血栓溶解薬といった薬を使って血栓をできにくくしたり、溶かしてしまえば、重症化を防げるのではないかという意見もあります。ただ、まだ研究段階でどこまで効果があるのかはわかっていません。
上皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」