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感染者300万人超の米国 最大のクラスター発生源は刑務所

刑務所と移民収容施設の管理を請け負う会社からも当然多数の感染者が(C)ロイター

 一方、南カリフォルニアのチノ刑務所では感染が広がり始めていましたが、看守が明らかにコロナの症状を示しているのに通常通り出勤していたと、受刑者が地元テレビ局のインタビューで語っていました。

 山火事のように広がったコロナの対応に追われたチノ刑務所は、一部の受刑者をサン・クエンティン刑務所へ移送。対象者121人の受刑者は出発前の検査で陰性でしたが、検査は出発の数日前で、その後に感染する機会は十分にあり、体調不良を訴えていた者もいたといいます。この移送でサン・クエンティン刑務所で感染が爆発。重症患者がサンフランシスコ周辺の病院に移送され医療を圧迫しています。

 アメリカでは、特に黒人やヒスパニックなどマイノリティーをターゲットにした大量検挙・投獄による受刑者人口の激増が大きな社会問題となり、今回のブラックライブズマター運動の焦点のひとつでもあります。

 長い刑期を務め上げ、釈放直前の受刑者のひとりは「果たして生きてここから出られるのだろうか」と不安を訴えていました。

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シェリー めぐみ

シェリー めぐみ

NYハーレムから、激動のアメリカをレポートするジャーナリスト。 ダイバーシティと人種問題、次世代を切りひらくZ世代、変貌するアメリカ政治が得意分野。 早稲稲田大学政経学部卒業後1991年NYに移住、FMラジオディレクターとしてニュース/エンタメ番組を手がけるかたわら、ロッキンオンなどの音楽誌に寄稿。メアリー・J・ブライジ、マライア・キャリー、ハービー・ハンコックなど大物ミュージシャンをはじめ、インタビューした相手は2000人を超える。現在フリージャーナリストとして、ラジオ、新聞、ウェブ媒体にて、政治、社会、エンタメなどジャンルを自由自在に横断し、一歩踏みこんだ情報を届けている。 2019年、ミレニアルとZ世代が本音で未来を語る座談会プロジェクト「NYフューチャーラボ」を立ち上げ、最先端を走り続けている。 ホームページURL: https://megumedia.com

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