B型肝炎は、C型肝炎と比べて慢性肝炎や肝がんといった重症に移行しにくいことから、予防が重要視されていました。とりわけ、主な感染経路である母子感染や乳幼児期の感染を防ぐためにもワクチンの接種が重要でした。日本では、1980年代に始まった母子感染防止事業でワクチンが広く使われ始めたことにより、25歳以下のB型肝炎ウイルスの持続感染者数は世界で最も少ない国のひとつとなりました。
しかし、成人になってからも、性行為や医療の針刺し事故などで感染する可能性は依然としてあるため、ワクチン接種はまだまだ重要です。また、ウイルスが変異して新しくなることで薬が効かなくなったり、併用薬によって免疫力が低下することで症状が再燃するという問題もあるため、今後も新たな薬やワクチンの継続的な開発が必要です。
新型コロナウイルスでも、B型肝炎と同じように画期的なワクチン開発が一刻も早く完了し、世界に安堵がおとずれて欲しいものです。
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