コロナ第2波に打ち勝つ最新知識

公衆衛生の専門医語る 家庭内リスクコミュニケーションのススメ

マスクをして通勤する人々(C)日刊ゲンダイ

「例えば、ソーシャルディスタンスは『話せば(感染予防方法が)分かる』人たちではなく、『離せば(感染が減るのが)分かる』という地域向けの国際保健の発想です。これをそのまま取り入れるべきか否かを考えるためのリスクコミュニケーションが必要なのです。とくに独り善がりでしゃくし定規になりがちな20~30代の独身者は幅広い世代と意見交換した方がいい」

 ただし、その目的はリスクに対する相互理解を深め、どのような予防策を選択するかの合意形成をするためのもので、誰が正しいか、何が正しいかではない。

「ですから、自分たちの結論を他人に強要してはいけません。また、情報の選択で気をつけたいのが、情報の発信者の素性です。実際に新型コロナ感染症の患者を診ている人や現役の研究者の情報は貴重ですが、英語論文から得た情報に自身の感想を乗せて垂れ流しているものもある。新型コロナの研究は世界中で進み、ネットには玉石混交の論文があふれている。いまは専門家ですら正解を語ることが難しい。結局何が正しいかは、個人ができるだけ多くの情報を集めてより多くの人と意見を交換して、最終的に自分で判断する必要があるのです」

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