不登校になった私立中高生を待ち受ける厳しい現実と克服法

前例のない夏休み明けになる?(写真はイメージ)

「結局、形式的な出席を取るために、教育相談センターというところに通うものの、そこも行けなくなってひきこもりになってしまう、というケースが多く見受けられます」と杉浦氏は言う。

 高校生になってから不登校になった場合のその先の進路選びも難しい。私立高校から公立高校への転入制度は、東京都と大阪府にしか存在せず、ほかの都道府県の公立高校は、家族全体がその県に引っ越してきた場合にしか転学を認めない。また東京では、私立高校を退学してからしか転学試験を受けさせないので、試験に落ちたらその時点で高校中退になってしまう。

「結局、いま行っている高校がどうしても合わないからやめるという場合、その次の進路は通信制高校、定時制高校、高卒認定、海外留学あたりに限られてしまいます。定時制は枠自体が減っていますし、どこにも通わずに高卒認定を得るのはかなりの意志と能力が必要。海外留学はお金がかかります。いま一番多いのは通信制高校ですが、これも通信だけだと勉強のペースを保ちづらいので、塾のようなサポート校と並行して利用することが多いです。年30万円ほどの通信制高校の学費は就学支援でほぼ無料になるのですが、サポート校は年70万円ほどが自己負担になるので、親の経済的負担はどうしても重くなってしまいます」

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