みんなの眼科教室 教えて清澤先生

高齢者の目から突然出血…深刻な病気の症状である可能性が

稀に深刻な病気の場合も…(C)PIXTA

 出血の吸収後に結膜に出血の原因となった瞼裂斑や異常な血管などが見つかることもあります。

 治療方針を決めるためには同じ赤い目であっても最初に、結膜下出血と結膜炎や上強膜炎などに伴う充血と明確に区別する必要があります。結膜下出血は出血が刷毛ではいたように広がり、充血では各血管が拡張しますが血管から外に出血はしていません。重大な原因疾患が指摘できず付随するケガや異物がない結膜下出血の場合には、治療は特には必要ありません。入浴時に温湿布で温めると約10~14日後に出血跡は減少し、再吸収されるでしょう。

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清澤源弘

清澤源弘

1953年、長野県生まれ。東北大学医学部卒、同大学院修了。86年、仏原子力庁、翌年に米ペンシルベニア大学並びにウイリス眼科病院に留学。92年、東京医科歯科大眼科助教授。2005-2021年清澤眼科院長。2021年11月自由が丘清澤眼科を新たに開院。日本眼科学会専門医、日本眼科医会学術部委員、日本神経眼科学会名誉会員など。

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